(以下はすべてかみがた市民情報誌に掲載済み)

肩こりで悩む方へ その1

「肩こりについて」

日本人には肩こりが多いと言われています。事実そのようで日常の臨床においても、頻繁に見かけます。また肩こりというのは症候名ですので病名ではありません。

肩こりの定義は「後頚部から肩、および肩甲部にかけての筋肉の緊張感を中心とする不快感、違和感、鈍痛などの症状、愁訴」です。

このように、かなり広範囲で様々な症状を含むわけです。人によって、かなり違う症状の場合もあり、肩こりとは十把一絡げの症候名だということです。しかし、肩こりで悩んでおられる方は、それぞれ自分の症状については熟知されています。

そこで問題になるのは対処法です。肩こりで悩む方は、ここが知りたいのだと思います。自分にあった対処法がわからない、納得のいく説明や対処をしてくれるところがない、だから結局マッサージ屋さんに行って揉んでもらうしか方法が無いのだと思います。

西洋医学での処方は対症療法ばかりで原因療法と呼べそうなものを私は知りません。よく簡単な肩こり体操が紹介されていますが、これで肩こりが治った話など聞いたことがありません。筋緊張緩和剤やビタミンEの投与、局所麻酔剤が効果があると言われていますが、対症療法の域から出ないでしょう。

なぜ肩こりは治らないかというと、その原因および適切な対策が、わからないからです。何が真の原因なのか。そしてどう影響しているのか。ここが一番の問題です。すべてのものごとは原因結果の連鎖で成り立っています。これを仏教では「縁起の理法」「因果の法則」といいます。

結局ここがハッキリしないと焦点が定まらず治しようがないのです。「私の肩こりは原因なく起こっています」「若いときからずっとです」といわれる方も結構いらっしゃいます。それは原因がないのではなくて原因が解らない又は思いつかない、対策がわからないということだと思います。

そこで、今回この肩こりシリーズを始めることにしました。様々な肩こりのタイプを発生原因別に7つのパターンに分けて、その対処法を考えてみようと思います。もちろん複合型もあります。私は日常の臨床で肩こりが悩みの方に「いつから何をして肩こりになりましたか」「その肩こりの真の原因は何だとお考えですか」ということをお聞きすることにしてします。そして下の7つのパターンに関連する具体的な症状をお聞することにしています。また、様々な徒手検査を行い原因発見のお手伝いをした上で、治療にかかる事にしています。

このシリーズが多少なりとも、みなさまの肩こりを治していくヒントになればと考えています。次号からは7つのパターン別に、各タイプ肩こりの特徴や解消法を解説していきます。


(7つの肩こりパターン)
@骨盤や腰椎、股関節などの異常があり、肩こりになる場合。

A胸郭、頸椎、顎関節などに異常があり、肩こりになる場合。

Bむちうち、寝違いなどの外傷が原因の場合。

C頭脳労働や眼精疲労など、頭部のうつ熱オーバーヒートにより肩こりになる場合。

D運動不足や内科疾患などによる機能失調が原因の場合

Eスポーツや過労による肉体疲労が原因の場合。

F自律神経の失調や精神的ストレスなど、こころの不調和が原因の場合。


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肩こりで悩む方へ その2

骨盤や腰椎、股関節の異常が原因の肩こり

今回から「7つの肩こりパターン」について順番に説明していくことにします。

一番バッターは骨盤や腰椎、股関節の異常が原因の肩こりについてです。

このタイプの特徴は原因部位が肩から離れているために、本人は「何が原因なのか解らない」ことが多いことです。もちろん腰痛や股関節痛を伴うこともありますが、全く痛みを感じない場合もあるので肩こりからは連想しにくいのです。

股関節に異常がある場合の特徴は反対側の肩が凝り、肩が上がりにくくなることです。これは四つ足動物の一方の前足と反対側の後ろ足の関係と似て連動して動くからです。これを相同関係といい、左股関節であれば右肩こりという関係です。

つぎに腰の場合です。骨盤の後ろの関節(せんちょう関節)や腰椎の根元に異常がある場合は、連結されている背骨を介して腰の影響が肩に上がっていきます。その結果、けんびきや首の付け根のこり、慢性になると首全体から後頭部も凝るようになります。

それでは、なぜ腰や股関節が肩こりの原因になるのかを、もう少し詳しく説明します。ふつうヒトは立った姿勢で、腰から上の重みを左右2本の脚で均等に受けています。

これが歩行不足(運動不足)や、逆に激しい運動(使いすぎ)、日常の習慣姿勢(くせ)などがキッカケで、左右のバランスをくずします。歩行不足の方は朝起きあがるときに腰がスッキリしないのが特徴です。激しい運動が原因の場合はスポーツ選手などの過剰な練習や転倒して尻もちをつくなどで左右のバランスをくずします。また、日常の習慣姿勢では、一例を挙げると、横になり肘枕でテレビを見る習慣などです。

悪い習慣は毎日の積み重ねで徐々に悪化していきます。これらの理由で、どちらか一方に偏った状態で固定化すると、骨盤や腰椎、股関節に異常が発生します。

これに対しヒトは自分で治す力を持っています。実はこれが歩行の習慣なのです。毎日よく歩く方は上のような異常が発生しても、歩くことで自分でも気づかないうちに元通りに修復されていくのです。毎日40分以上のウォーキングを実践している方は心当たりがあると思います。

しかし、歩く量が少ない方は充分な修復が出来ないので、腰痛や肩の凝りとなって現れてくるのです。現状では治るのに必要な歩行量を確保している方は、ごく少数でしょう。このような事情で正常に戻す為の整復治療が必要となってきたのです。

最後に少しだけ治療についてお話しします。まず検査、歩き方や立ち座りの姿勢をはじめ、足の筋肉、腰椎や股関節の動き、骨盤のひずみ、脚の知覚異常の有無などを調べます。そして問診、過去の肩こりにまつわる履歴をお聞きします。そうすることで、肩こりの真の原因がある程度解ってきます。その上で治療していくのです。

本質が解れば、あとは方法論の問題です。患者様の希望も考慮しながら、代替療法の中から適切な方法を選び施術していきます。次回は頸や肩に原因があるものについてお話しします。

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肩こりで悩む方へ その3

顎関節、頸椎、胸郭などに異常があり、肩こりになる場合を解説します。


簡単にいえばアゴや首や肩、背中の骨格に異常がある場合です。それでは3つに分けて説明します。まずアゴと肩こりについての関係です。アゴの関節は顎関節といい、左右の耳の前下方にあります。口を開けるときにはアゴの骨が下方に動きますが、同時に頭骨は上に動きます。これは首の骨が支点となり上下に口が開くようになっているからです。支点である首の関節に異常が発生すれば片方の唇を噛んだり、開口時にポキッと音がする、口が開けにくいなどの症状が出ます。

これらの症状はアゴの問題だと考えられていますが、このように実際は首が絡んでいるので首がコリます。またアゴの異常は片方の奥歯で噛む習慣や歯科診療などが原因として起こることもあります。

つぎは頸椎です。頸椎とは首部分の背骨で7つの骨で出来ています。上部の頸椎の異常は首を左右に回しにくいのが特徴で、頭の付け根や首のコリとなって現れます。頭痛や眼の奥の痛みを伴うこともあります。首の中程あたりのコリは上記のようにアゴとの関わりが強い場所です。首の根元のコリは肩の張りが強く、首を左右に倒しにくくなります。また、この部分は腰との関連も深く両方同時にコルことがあります。

ここから下は胸郭の影響が強く出ます。胸郭というのは胸から背中をひっくるめた部分で肋骨と背骨などで出来ている殻のことです。この中に肺や心臓などの重要な臓器が入っています。

胸郭の異常でコルところは俗に肩引きといわれるあたりです。また前の方では胸の上方から首筋にかけてコリ、息苦しく感じることもあります。これらのコリの原因はからだを一方に捻ったまま作業する習慣などのクセになった不良姿勢や、体の重心が一方に偏った場合など、背骨の捻れを介して起こります。その他、肺や心臓の病気がある場合は、その影響が表面に出てコリとなります。

全般に言えることですが正常に潤滑できない関節は、かみ合わせが悪く不安定になります。その結果、他とのバランスをとるために周辺の筋肉が堅くなるのです。

これらの症状に対して低周波治療やマッサージを漠然と行っても、あまり効果が無く、楽になったとしても多くは時間がたてば元に戻ってしまいます。やはり大切なのは異常部位を見つけることです。そして治すためには異常部位の整復(関節の潤滑を良くする方法)が必要です。潤滑を良くするには、ポキポキ鳴らすようなキケンな方法は必要でなく、ゆっくりと圧を加えることが基本です。

前回説明したように異常は時間を経て上方にいく傾向があるので、腰など下位の異常がある場合は、そちらの整復も合わせて行わないと効果が持続しません。また、異常部位には、うつ熱といって熱をためこむ傾向があるので、冷却(氷で冷やす)を合わせた方がよい結果が出ます。また原因が解れば治療の方法論はいくらでもありますので患者様の希望を考慮しながら施術していくことも大切なことだと思います。

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肩こりで悩む方へ その4

今月はむちうち、寝違いと、その関連の肩こりについて解説します。

「むちうち」というのは、自動車どうしの事故でよく起こる首の損傷のことです。衝突の反動で頭頚部が鞭を打ったように動くことから連想される病名です。しかし実際は、少し違うようです。後方からの追突の場合は、衝突の瞬間にカンナ効果で頭が後方に動くことが確認されています。このカンナ効果を見落としていたため、むち打ちは治らないといわれてきました。またMRIやX線でも正確に診断しにくいようです。そのために本人はとてもつらい症状を抱えているのに、まるで精神病や、ヒステリー扱いされたりすることもあります。

最近は問診や徒手検査の技術がアップし、かなりのところまでわかるようになりました。これによって本人が事故内容について嘘をついているかどうかさえ、わかるようになりました。また、むち打ちは、その程度によって分類されますが、分類以前に解析が不十分なため、治療法がわからないのです。いまでも一部の医療機関を除いて治せないのが当たり前という実状です。

実態を正しく解析できれば治せるのです。たとえば10年前に受傷して肩こりや頭痛として残っているものでも治る確率は高いです。もちろん損傷の程度がひどい場合は治せないこともありますが、治せるものも治っていない現状は非常に残念でなりません。

むちうちの対処法は、事故状況を正確に解析したうえで、損傷部位を治療することに尽きます。次に治療法について解説します。特に急性期の場合、温熱や牽引、局所のマッサージなどは症状を悪化させることが多いのでお奨めできません。

慢性の肩こりになっている場合でも、それらの治療では、一時的に楽になっても完治まで至りにくいと思います。実際の治療は傷害からの期間や程度、症状によって異なりますが、氷冷、軸圧や面圧による整復、軟部組織の調整などソフトで治療感の少ない方法で十分です。

次に寝違いについてです。就寝中に寝返りや激しく首を振ることで、頸椎の後ろにある椎間関節に無理がかかり痛みが走るといわれています。

ここでは外傷の自覚なく、突発的に首を左右に回しにくい、側屈できない、前後屈できない、など様々な症状も寝違いとして取り上げます。この原因は頸椎のどこかで椎間関節が、しっくりいかない(潤滑不全)という問題を発生しているからです。その結果、筋肉などもバランスをとるためピンと張って硬くなるのです。これをとらえて筋違いのようにいわれることがあります。首のどこに異常があるかは徒手検査でレバーアーム現象を引き出すことでわかります。

原因部位がわかれば、あとは正常に戻して安定させることです。自然に治ることもありますが、治りきらずに肩こりの原因になることがあります。2−3日で治らないようであれば、適切な処置をするのが良いでしょう。

むちうちや寝違いは、正しく解析されてから日が浅いために治療法が普及していないのです。そのために混乱していますが、肩こりに変わってしまっている古いものでも治ります。このような肩こりは治らないと、あきらめないでいただきたいと思います。

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肩こりで悩む方へ その5

 頭部のうつ熱
頭部のうつ熱(オーバーヒート)による肩こりは、夏に悪化しがちです。ただでさえ気温が高い上、都会では道路の蓄熱などでヒートアイランド現象を引き起こし環境が悪いからです。ただ頭部のうつ熱は夏に限らず年々増えているように感じます。

それでは肩こりの原因の一つ、頭部うつ熱について説明します。その原因はパソコンや携帯電話使用による電磁波障害、過度の頭脳労働や眼の使用、精神ストレス、深い悩みや睡眠不足などです。現代社会は頭部に過大なストレスを蓄えることが多くなってきているようです。そのためストレスが熱に変わり頭部のうつ熱症状が増えています。通常、頭部の熱は静脈や発汗、呼気などで捨てられ適正にコントロールされています。ところが上のような理由で熱のコントロールがうまくいかなくなると、中枢である頭に熱をため込んでしまいます。

それでは具体的な症状をあげましょう。まず首筋から両肩にかけてのコリです。自覚症状がある場合が多いですが、無い場合もあります。これは頭の熱を捨てるための放熱板の役割をしている筋肉(主に僧ぼう筋)がフル稼働して張っているためです。これをほぐすためにマッサージしても、頭のうつ熱は残っているので症状は改善しません。その他、頭からの発汗や寝汗が多い、頭のしんが重くスッキリしない、眼が疲れやすくショボショボする、額に脂汗をかく、こめかみの奥が重い、頭や首の熱感とぼんやり感、めまいをともなうフラフラ感、などがあります。さらに悪化して実際に高熱が何日も続いた症例もあります。これらは私が診てきた症状をまとめたものです。もちろん、これ以外の症状もあると思います。

うつ熱状態を解消するためには、その原因を取り去る努力も必要ですが、直接頭部の熱を取り去る方法は即効性があり一番効果的です。中でも安全で生理的なのが氷冷です。その原理は頭部うつ熱のポテンシャルエネルギーを、氷の融解熱を利用して外部に捨てるというものです。もし、うつ熱がなくても効果がないだけで副作用はありませんので、自宅でも出来て安全性も高いといえます。

次に実施の際の注意点です。よく勘違いされることですがクーラーでは表面しか冷却できないから効果はありません。自律神経が失調し症状を悪化させることもあります。また、とにかく冷えればと氷以外の物を使う方もいます。たとえば冷却シートなどのシップ類では効果が弱すぎて全く歯が立ちません。水以外の材料を使った蓄冷体では冷えすぎて痛んだり、頭部の熱をうまく吸収できないなど問題があります。

かならず熱を効率よく捨てることが出来る氷水を使って実行してください。また、体が冷えるという方や冬場は脚を暖めてください。最近は冷水循環させて頭部を効率的に冷却する装置が一部の医療機関で使われています。家庭で行う場合は、写真のように頭部冷却セット(氷枕と氷のう)を使えばよいでしょう。症状が無くなるまで毎日続けて下さい。

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肩こりで悩む方へ その6

 運動不足による肩こり 

今回は運動(歩行)不足などを因として肩こりになる場合を説明します。なぜ運動(歩行)不足で肩こりになるかといえば非生理状態になるからです。 

この非生理状態の代表的なものに非荷重があります。これは仙腸関節(ウエイトベアリング)における生理重力線からの逸脱をいいます。そして、これが左に出現すると左非荷重、右に出現すると右非荷重となります。ヒトの体は重力負荷を受けた状態が生理であり、非荷重では潤滑が失われて潤滑不全を起こします。

非荷重の原因は日常の歩行不足の他にも不良姿勢(高枕、肘枕での横寝、足組み座り)などの悪い習慣があります。非荷重が慢性化すると細胞レベルで機能失調を起こし、肩こりや様々な内臓疾患を引き起こすことがあります。これを非荷重症候群といいます。

たとえば右非荷重では横隔膜から上方が膨張し、背中や胸のハリや肩コリが現れます。また、この状態が長期間続くと心臓や肺などの障害を引き起こすこともあります。同様に左非荷重では横隔膜から下方が膨張し、腰のハリや腰痛につながります。そして脊椎に歪みを起こし、背骨を介して肩や首がコリます。左非荷重が長期間続くと消化器、腎、泌尿器、肝臓障害などを引き起こしやすくなります。

肩こりや上の障害に対しては、出来るだけ早い段階で非荷重など非生理状態を見つけ対処する必要があります。応急的な処置だけで完治する軽度のものもありますが、体の傾向性ともいえる悪しき習慣、パターンが残っていると、似たようなことを繰り返すことになります。これを取り去るために必須なのが歩行療法です。

体のクセ、悪しき傾向性を治すには時間がかかるのです。歩行を根気よく続ければ治療効果は尻上がりに高まっていきます。あまり知られていませんが歩行のペースによって「緩やかな歩行」精神安定、消化器系機能増進。「普通の歩行」泌尿器系の修復、機能増進。「やや速歩」呼吸循環器系の機能修復、増進。「速歩」筋力、骨強度、関節潤滑が高まり気力活力が充実。などが確認されています。注意点は30分以上の連続歩行が必要なことで40分以上行うと高い効果が得られます。歩行の習慣をつけると、運動不足による肩こりは治っていきます。ふつうはこれでよいのですが、問題になるのが高齢や肥満、体力や脚力の低下、痛みなどで、いきなり歩けない方の場合です。

このような方は、まず障害を起こしている部位を治療し、そして非荷重を整復することから始めるのがよいでしょう。そして、しっかり歩けるようになるまでは専門の治療が必要です。障害部位の潤滑を改善するための治療と歩行療法との併用によってかなりの成果を上げています。

参考文献「構造医学−自然治癒のカギは重力にある」

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肩こりで悩む方へ その7

 尻もちやスポーツが原因の場合

今回は尻もちやスポーツなどが原因で肩こりになる場合を考えてみたいと思います。ほとんどのスポーツは特定の運動を繰り返して疲労により障害が出ます。そういう使いすぎ症候群による肩こりは冷やす、休めるなどで良くなることは誰でも想像できるので、因果関係がわかりにくい例を説明します。

前回説明した非荷重とならんで代表的な非生理状態に外傷性角加速度損傷があります。

非荷重が仙腸関節(ウエイトベアリング)のネジがゆるんだ状態であるならば外傷性角加速度損傷はネジが締まりすぎて、かみこんだ状態といえます。

この原因はいろいろありますが、一番わかりやすい例が「尻もち外傷」といって後ろにドスンと尻もちをついた場合です。その他では段差の高い階段などを降りる際、ガツンガツンと繰り返しの衝撃を受けた場合にも発生します。サッカー、空手などの蹴り動作、その他スポーツの無理な動作や繰り返しの動作によって起こす場合もみられます。

次に症状です。外傷性角加速度損傷の症状は片脚のシビレ、腰痛やひざの内側の痛み、足首の外側の痛み、仰向けで寝にくい他があります。また、肩こりや片側の肩が上がりにくいなども出ます。そして時間の経過とともにそれらの症状や肩こりも慢性化していきます。このように肩こりというのも原因と結果の法則によって起こります。けっして偶然には起こらないのです。

特に今回の外傷性角加速度損傷「尻もち外傷」などは肩こりとの因果関係がわかりにくいので、やっかいです。尻もちをつくと当座は打撲部位は痛みますが、これはしばらくすると治ります。しかし、打撲部位は治っても、その衝撃でかみこんだ仙腸関節はそのまま治っていません。さらにシビレなどの症状が出るまでタイムラグがあることもあり、受傷した本人も、その因果関係に気がつかないことが多いのです。ましてや、これが肩こりにまでつながっていくことなど想像もつきません。このように肩こりを例にとっても本人が何が原因だか、わかりにくい障害も数多くあるのです。

これに対し、ヒトの体には神業ともいえる修復機能が組み込まれています。これが毎度お話ししている歩行なのです。今回の例でも歩く習慣がついている方は、その中で自動的に修復されていきます。しかし歩行が足りない方や何らかの事情で歩けない方の場合、仙腸関節が噛みこんだまま固定化します。こうなると自動的には治らないので専門的な治療が必要となります。

まず正確に診断した上で障害側の仙腸関節を整復します。そして肩こりなど波及した部位の調整を行います。その上で姿勢や習慣など日常生活に問題がある方には生活指導が必要です。歩行が不足している方には歩行指導も必要でしょう。こうして原因と結果の部分をキッチリ押さえた上で本人の自助努力があって完治するのです。老化や程度によって完治しないものもありますが、努力しただけの結果は必ず出ます。

参考文献「構造医学−自然治癒のカギは重力にある」

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肩こりで悩む方へ その8

精神的ストレスが原因の場合

精神的ストレスが原因で肩こりになる場合は、自律神経失調症を伴うことも多く、現代医学が苦手としている部分です。

ある調査によれば精神が主流で起きていく病気が7割、肉体面から始まる病気が3割といわれています。このように精神が病気に与える影響は無視しがたいものがあります。

肩こりの場合も同じで心身のバランスが大事です。たとえば長時間机に向かう方など、仕事のコンビネーション(連携)が悪い方は構造的に肩こりになりやすいです。このタイプの方は毎日をどうやってリズミカルで連携の良い、肩の凝らない日々にするかということをよく考えて工夫する必要があります。

精神的ストレスによる肩こりが悪化するときというのは、頭痛と同様に、心の不調和を起こします。心が調和しないと、イライラして自分のことしか考えられなくなります。こうなると心が暗くなり、他人のマイナスの波動を受けやすくなるばかりか、自分からもマイナスの想念を出して悪循環になります。

これに対して有効なのが歩行やスポーツなど体を動かす方法と、「反省」の習慣など、心を癒す方法があります。歩行療法はくどいほど解説しているので今回は精神から行う方法、簡単な反省法をご紹介します。

まずはじめに「日常の波動から離れる」ことです。真理の本を読んだり、瞑想用の音楽を聴いたりします。次に「深呼吸で心身を調和させる」のです。心が落ち着いたらリラックスした姿勢で背筋を伸ばし、静かに深呼吸を繰り返します。これを雑念が消えてくるまで行います。そして「その日一日を振り返る」のです。心が穏やかになったら目を閉じてその日一日の自分の心中にどんな思いが去来したかを振り返ります。第三者の眼で反省するのがコツです。慣れてきてコツをつかむと精神的ストレスが原因の肩こりはスッと軽くなります。また、この方法は熟練するほど効果を増します。

そんな気力が出ないという方にはアロマセラピー、リフレクソロジーなど心を癒し肩こりを楽にする有効な方法があります。次に体格と精神の関係から、やせている方は精神エネルギーが低下しやすく、心身のバランスがくずれ神経質になり、肩が凝りやすいということがいえます。これにたいしては運動量を増やして筋肉質の体を作り、体重も多少増やすことが大切です。歩行療法を行うと食欲が増し精神が安定するので、やせすぎの方は少し太る傾向があり、太りすぎの方は脂肪が減りやせる傾向にあります。

また、歩行関連で害になる靴(ハイヒールなど)について付け加えておきます。不自然な靴は、足の障害はもとより、腰、肩、首などに悪影響を与え、肩こりをはじめ様々な症状を引き起こします。肩こりを本気で治そうとお考えの方は、こういう靴は、なるべく避けるようにしてください。

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