(以下はすべてかみがた市民情報誌に掲載済み)

『代替医療について』 その1

いま話題のオルタナティブメディスンとは?

最近、何かと話題になっているのが「代替医療(オルタナティブメディスン)」というということばです。これは『現代西洋医学領域において、科学的未検証および臨床未応用の医学.医療体系の総称』(日本補完代替医療学会)と定義されています。わかりやすく言うと、西洋医学以外のマイナーな医学分野のことです。

最近この代替医療が、なぜ注目度が高くなってきたかというと、90年代より西洋医学の本場アメリカで注目され始めたことと関係があるようです。以前アメリカでは西洋医学中心のメジャーな医学に対して、取るに足りないマイナーなものとして扱われてきたのですが、医療費の高騰と現代西洋医学の限界という問題が生じ、この新たな潮流が起きてきたわけです。現在アメリカではかなりの予算(99年5000万ドル)をつぎ込み、これらの問題を解決するために官民一体となって、安上がりで効果がある代替医療の研究が進められています。そして現在の日本は、なんでもアメリカの影響を受けやすいという傾向性があります。そういう流れで、日本でも医療機関、問題意識を持つ医療従事者などが、西洋医学以外の代替医療に関心を示し、必要なものから研究し取り入れられています。たとえば産科や精神科で行われているアロマセラピーなどがそれにあたるでしょう。

もっとも、我々庶民レベルで考えてみれば、いまさら特に代替医療などと呼ばなくとも、それらは昔から生活に密着しているように思います。日本では漢方や鍼灸、指圧やマッサージ、柔道整復術などが、西洋医学に比べて、ややマイナーではあるものの国民の支持を集めています。鍼灸、柔道整復などは、だいぶ前から保険適用にもなっているわけです。

そういう意味においてはアメリカよりも先進国であり、数多くの方法が百花繚乱の様相を呈してはいますが、別の見方をすれば、とても選択肢が多く、自分にあったものを選べる風土が既にあります。自分にとって最良の方法を探すのは、たいへん難しいですが、ひじょうに自由な医療環境であるわけです。そういう多様な需要に応えて、数ある代替医療の中から、単独または複数の方法を施行しているのが現在の整骨院や鍼灸院、各種治療院の実態と言えるかもしれません。

当院では、柔道整復や鍼灸以外に80年代には指圧、吸い玉、音楽療法などを90年代からは構造医学、アロマセラピー、ハーブ(薬用植物)などを、昨年からはプロバイオティクスなどを積極的に取り入れています。それぞれに持ち味があり、補完し合って総合力を増しています。

上に書いたように代替医療とは西洋医学以外のことなので当然、私が経験したこともない療法もたくさんあり、全部紹介することは不可能です。そこて゛次回からは私が既に施行して実績を揚げている方法を例に取り、具体的に代替医療の実際を紹介していきたいと思います。

このページのトップへ



『代替医療について』 その2

吸角(吸玉)療法

最も古くからある治療法でもある吸角療法をご紹介します。この療法は紀元前に栄えたメソポタミア文明で、当時の医者に使われていたようです。またギリシャの神殿跡からも、その記録が出土しています。現代医学の祖といわれるヒポクラテスも吸角を大いに利用していたという事実があるようです。

この古代から伝わる療法は、名称は違えども現代においても我が国以外、英国、スイス、ブラジルやアルゼンチン、中国、韓国など世界中で行われています。

次に吸角療法とはどんな方法かというと、電動や手動のポンプで吸着具(吸玉)を皮膚に吸着させて行います。また吸角法は乾角法と湿角法という2種類に分類されます。乾角法は血を出さないで吸角を皮膚に吸い付かせる方法であり,老廃物の溜まった体液を皮下に集めて浄血する方法。湿角法は皮膚にわずかにキズをつけて、その上に吸角を吸い付かせて、出血させ直接浄血する方法です。ともに血液(体液)の浄化を目的としている浄血法であることは共通しています。

吸着させるポイントは東洋医学で使う経絡が利用されている場合が多いようです。

そして、吸着中に皮膚の反応で色々なことがわかります。健康な方の場合はあまり変化は見られませんが、疲れていたり慢性疾患などがある場合は、対応部位の皮膚に変化が現れます。色素反応といってどす黒い不健康そうな色が出たり、水疱反応という火傷時の水ぶくれのようになり、中に強いアルカリ性の血漿を溜める場合があります。

吸角療法は様々な疾患に効果があります。文献によると数多くの難治性の慢性疾患や難病が治ったという報告が見受けられます。鍼灸師であった祖父がよく使っていたので私も20代の時から現在まで、自分の身体によく使っています。患者様に行う場合は、強度の肉体疲労時や皮膚の色が悪い方、凝りや筋肉がパンパンに張っているような方、長年にわたる慢性疾患がある方にこの療法をよく使います。実に効果があり、私の場合も疲労が蓄積した時にはずいぶん助けられています。私同様に体感されている患者様も多く、月に1回というように定期的に行われる方が多いのが特徴です。

吸角療法は古臭くて単純であるであるからといって馬鹿にする向きもありますが、何千年も世界中で愛用されているという事実がこの療法の原理に普遍性があることを物語っているように思います。
このページのトップへ



『代替医療について』 その3

プロバイオティクス>酪酸菌

前回の吸角療法は最も古い治療法でしたが、今回は古くて新しいプロバイオティクスを
ご紹介します。

プロバイオティクスは近年ヨーロッパを中心に予防医学の重要性と抗生物質治療の限界を背景に、ヒトが本来持っている抵抗力を見直そうという考えから生まれました。この名前は共生を意味し、抗生物質に対比して使われています。その定義は「腸内細菌叢のバランスを調節し宿主に有益な作用をもたらす微生物」のようです。代表的なものにビフィズス菌を利用した製品などがあります。

中でも最近注目を集めているのが酪酸菌製剤です。酪酸菌は昭和10年宮入博士により発見されました。なぜ今頃注目を集めているかというと、最近の研究から、乳酸ではなく酪酸がヒトの大腸粘膜の主なるエネルギー源であることがわかってきたからです。酪酸は酪酸菌が主に分泌している成分です。

つまり酪酸菌を採ると大腸が丈夫になり、ビフィズス菌など、腸内細菌叢全体の環境も良くなるのです。そして腸内細菌叢が安定してくると、小腸で吸収されなかった栄養分などが大腸で、酪酸菌らの力により分解吸収されるようになるのです。しかも、酪酸菌は腸内腐敗菌や食中毒菌、チフス菌ブドウ球菌などの病原菌の増殖を抑制すると同時に有害物質の産生をも抑制します。

現代医学では病原菌を抑える場合には、抗生物質を使うようですが、菌には菌で対抗するというのがプロバイオティクスで、これが新しい考え方なのです。さらに日本では、民族の違いや食文化の違いなどへの関心の高まりから、食の欧米化により数が減ってしまった酪酸菌が見直されているのです。

以上をまとめると、最近、大腸の存在感と酪酸菌らが作る酪酸の重要性が見直されてきた。昔は日本人の採る食物とともに口から入ってきた酪酸菌が、食生活の欧米化と衛生環境の向上により体内に入ってくる数が減ってきた。これにより腸内エンジンが不完全燃焼し、身体も弱くなり病気も増えてきた。これを日本人にあう腸内環境に戻すと身体が元気で健康になる。ということなのです。

私自身、酪酸菌を採ってみて驚いたのが、食の好みが変わったことです。和食が好きになり腸内細菌のエサである炭水化物や食物繊維、豆類などを欲しいと思うようになりました。ヒトの細胞は60兆個と言われています。腸内細菌は100兆個以上住んでいます。数の上では負けているわけです。ひょっとしたらヒトは腸内細菌に飼われているのが本当なのかも知れませんね。

このページのトップへ



『代替医療について』 その4

リフレクソロジー

今回はテレビや雑誌で話題になっているリフレクソロジーについてお話しします。

リフレクソロジーは足や手にある反射区とよばれる場所に、術者の母指などを使って刺激する治療法です。手足にある反射区というツボが、身体の特定の部位に対応しているとの考えにもとづいて出来ています。ですからリフレクソロジーでは、両手や両足にある数多くの反射区を刺激することで、反射区に対応する臓器などの体の各部分に、遠隔的に働きかけ、その結果として全身に影響を与えるというものです。

もう少しわかりやすく言い換えますと、リフレクソロジーは体幹から足と手につながっているエネルギーの流れ(10のゾーン)を調整する療法とも言えます。こういうと東洋医学のようにも聞こえますが、東洋医学の経穴と反射区は異なります。リフレクソロジーはアロマセラピーなどと同じく、西洋で出来た治療法なのです。日本では主に足の反射区だけを使う方法が主流です。

現在行われているリフリクソロジーは大きく分けてヨーロッパ式と台湾式に分かれます。使う反射区は同じですが、手技は異なります。ヨーロッパ式は英国式とも言われ、とてもソフトで痛くありません。それどころか非常に心地よく施術中に寝てしまうぐらいリラックス出来る方法です。このあたりはアロマセラピーのマッサージとよく似ています。一方台湾式は指以外に指圧用の器具なども使います。かなり痛くて顔がゆがんでしまうことも度々あります。それぞれ効果はありますので、あとは好みの問題で強くて痛いのが良い方は台湾式で、優しくリラックスしたい方はヨーロッパ式を選べばよいでしょう。

ともに施術が終わり立ち上がると当然脚は軽くなりますが、不思議と心も軽くなり、身も心もリフレッシュを実感します。ここが「癒し」として人気が上がってきている理由のひとつでしょう。また、アロマセラピーマッサージのように裸にならなくても良いし、それほど時間もかからず、お手軽で忙しい人のニーズにも合っているのだと思います。フットバス(足浴)を含めて20−40分。2000−4000円というのが相場のようです。

現在、日本で行われているリフレクソロジーは歴史が浅く、長いキャリアを持っている治療家も少ないので病気の治療に使われるところまでは発展していません。そういうわけで今後、病気の予防や疲労回復のための一方法として、大衆に認知され発展していくのではないかと考えています。

このページのトップへ



『代替医療について』 その5

クエン酸療法

今回はクエン酸内服療法についてです。クエン酸療法は最近になって注目度があがっていますが、実は太平洋戦争中に起源がある、古くから続いている健康法なのです。

東大名誉教授の秋谷氏の戦中戦後にわたる研究論文に共鳴した長田正松氏が始めた健康法です。クエン酸とはcitrateともいい柑橘類などに含まれている有機酸で梅干しやレモンの主成分で、そのすっぱい味が特徴です。昔からお酢が体にいいことはよく知られています。

どうしてその中でもクエン酸が良いのかというと、その化学式から酢酸(お酢)と比較すると酸度は三分の一で飲みやすいうえに効果は三倍あるからです。つまりお酢を飲むよりも刺激が少なく効率が良いからなのです。おまけに非常に安価です。

さらに強力なセールスポイントがあります。ノーベル賞を受賞したクレブス博士の『クエン酸サイクル理論』です。この理論は図のように細胞内での酸化の道筋を示したものです。私たちの体を細胞一つ一つのレベルから活性化させる道筋を解き明かす重要な理論なのです。このサイクルでは循環しながらエネルギー(ATP)と水と二酸化炭素をつくり出します。この時、酸素やビタミンなどが不足してクエン酸サイクルが不完全燃焼を起こすと疲れの元である乳酸が細胞内にゴミのように溜まるわけです。

クエン酸療法はこの理論に基づいて、クエン酸を採ることによって、クエン酸サイクルを円滑に回転させ、エネルギーをつくり出すと同時に、疲労物質を減少させることを狙っています。また、この療法では病気の原因は体液が酸性に傾くことにあると考えており、それを弱アルカリ性に戻すことを目的にしています。アルカリ性食品であるクエン酸を飲むと胃までは酸として働き、腸内で分泌する重曹で中和されクエン酸ソーダとなり吸収され全身へ、そして各細胞に入りクエン酸サイクルを廻すという道筋で働きます。この効果は約2時間持続します。

以上をまとめるとクエン酸療法は、クエン酸を飲むことによって体液を弱アルカリ性に戻し、全身の細胞のゴミ掃除をして、自然治癒力を回復させ、その力で病気を癒してもらう真の原因療法であると言えます。

私はこの療法を祖父から引き継いで30年間実践しています。クエン酸は安価で使い道も多く、体質改善には最適だと思います。なぜこんなに普及が遅れているかを考えてみると、安価なので商業価値が低いという一点に尽きると思います。21世紀は本物だけが生き残る時代だと言われています。今後この療法は、おおいに見直されることになるでしょう。

このページのトップへ



『代替医療について』 その6

頭部冷却療法

頭部冷却療法は新しい治療法なので、ご存じでない方も多いと思います。

代替医療というよりも物理学に基づく最新医療と言った方がピッタリです。ただ、一般的でないという意味では代替医療かもしれません。

この療法は頭と頸を冷やすという一見単純な治療法です。昔から頭寒足熱が良いとも言われています。特に近年は、パソコンや携帯電話などによる電磁波障害、頭脳労働や目の疲れ、精神ストレス、深い悩みや睡眠不足など、中枢である頭部に過大なストレスを蓄えることが多くなっているのが現状です。その結果として、頭部のうつ熱症状が増えてきているようです。頭部冷却療法は、このような現代人のニーズに対して登場しました。

専門の研究機関では、脳卒中やてんかん、眼、耳、鼻、口腔系に疾患をもつ患者などに著しい効果を上げているようです。

通常、頭部の熱は適正にコントロールされています。ところが上のような理由により、うつ熱した場合、頭部のポテンシャルエネルギーを、氷の融解熱を利用して外部に捨てることが有効なのです。もし、うつ熱していなければ、効果が出ないだけで副作用は全くありませんので、安全性が高いことも利点といえます。

次に実施の際の注意点です。とにかく冷やせばよいのではと氷以外の物を使う方もいます。そこで要注意なのですが、冷却シートなどのシップ類では効果がほとんどないこと、水以外で出来ている蓄冷体では、冷えすぎて不快感が出たり頭部の熱をうまく吸い取れないなど問題があることです。必ず、うつ熱を効率よく熱交換で捨てることが可能な氷水を使って実行してください。近年では、さらに効果が高く冷水を循環させて頭部を冷却する装置も一部の医療機関で使われています。家庭で行う場合は、氷枕と氷のう(写真)を使えばよいでしょう。氷枕だけでも有効です。

ところで最新の頭部冷却装置を受けてみた感想ですが、まるで冬眠しているかのような不思議なリラックス感と、その後の爽快感があり効果抜群です。

私自身、数年前に原因不明の高熱が何日も続き倒れたときに、この方法で完治したという貴重な経験をもっています。その時医科では結局原因不明だったのですが、頭部の「うつ熱症」だったようです。その後、就眠時の頭部冷却を実践してからは快調で、今も毎日行っています。日常の臨床でも、同じような症状の方を多く発見します。その多くが頭部の冷却で症状が改善しています。

今後の展望として、この方法は冬眠のメカニズムとの関連など現在も研究が進められているようで、近未来には最新医療として脚光をあびる可能性が高いと感じています。

このページのトップへ



『代替医療について』 その7

サウンドセラピー、カラーセラピー

サウンドセラピーは音楽療法ともいわれていますが、別にミュージックセラピーというのがあり、こちらが音楽療法としては一般的です。ちなみにミュージックセラピーは音楽を通した心のコミュニケーションとして患者を手助けする方法です。

これに対しサウンドセラピーは癒し、または治療や瞑想用の音楽を使った治療のことです。「ただのBGMのことじゃないか」と思われるかも知れませんが、これがただのBGMではないのです。ある空間内の磁場が音楽によってハッキリと変わることを幾度も体験しています。ちょうど部屋の波動(空気)が変わったような感じでしょうか。ただし音楽の質によって粗雑なものから精妙なものまで様々なので何でも良いわけではありません。もちろんスピーカーなどのハード面の質も大きく関与します。
このように耳から入ってくる刺激の影響も相当大きいのです。これらについては脳波の変化やその他の観察など、多くの報告があります。また、「1/fゆらぎの法則」というのがあります。これは小川のせせらぎであったり、小鳥のさえずりであったり、ひとの心拍の間隔であったりと、自然界にあるリラックスできるやわらかなリズムパターンのことです。これなども、治療用や瞑想用の音楽によく使われています。これらの音楽に共通しているのが、ゆったりとしたリズムで聞いている人の呼吸のスピードが、遅くなってくることです。この過程で脳波もベータ波がアルファ波に変わってきますし、心の波立ちがおさまり気分も穏やかになってきます。

以前、脳波の研究をしている友人宅で、高次元サウンドと定評のある水澤氏のCDをBGMで聴いたときのことです。友人と会話中であるのに私の脳波が10分ほどで急速に沈静化した記録を後で見せてもらい驚いたことがあります。それ以後とくに効果が高そうなものを選んで治療中に使っています。おそらく治療効果を高めてくれていると思います。具体的には、安眠、リラックス、不安感や恐怖感の緩和、イライラや疲労の緩和などです。

耳の次は目、カラーセラピーというのも重要です。これは視覚を通して、それぞれの色が持っている心理的な影響を使う方法です。治療用としては一般的に青から緑までの帯域の波長が有効なことがわかってきました。青は血圧を下げ、心拍数を下げるなど鎮静作用、精神疲労の緩和、不眠症治療、集中力の向上などに効果があるようです。緑色は可視光線の中間波長域であり、バランスがよいこともあって優しい波長なので、ヒトに安心感を与えリラックスさせます。緑が眼精疲労やドライアイに有効なことは広く知られています。ほかの色も治療の補助として目的によって使い分けられています。

以上簡単に述べましたが、これからの治療は人間の持つ五感全体をうまく引き出して、より効果が高く術者と患者の一体感が増すように工夫することが大切だと考えています。

このページのトップへ



『代替医療について』 その8

芳香植物療法

芳香植物療法は、ふつうアロマセラピーと呼ばれています。しかしアロマセラピーという響きでは、その中味が充分理解されにくいので、ここでは芳香植物療法と呼ぶことにします。

植物療法の中でも、この療法は植物から抽出した、揮発成分を多く含んだ「精油」を使って治療します。ラベンダーの草花を蒸留したラベンダー油などは、その代表的なもので、数十種類の精油が臨床的には使われているのです。

つぎに、精油をどう使うかということですが、吸う、塗る、飲むなどの使い道があります。精油の揮発成分を吸うことによって、その刺激が嗅神経から大脳辺縁系などへ伝わり、反応を開始するという経路があります。精油を塗ると、その何割かは経皮吸収によって体内に入り、穏やかに作用を開始します。飲む方法では、ほぼ100%体内に入り最も直接的に作用しますが、容量などの調整も難しく危険度も高いのです。

このように芳香植物療法で使う精油は「天然の薬」として吸入、塗布、内服などに使われます。次に注意点をあげます。この精油とは薬品ではなく雑貨扱いですので粗悪品も多いのが現状です。また品質の良い物でも希釈の度合い、容量や成分についての知識のない方が、上のような使い方をすることには賛成できません。よく効くということは、使い道を誤ればキケンだということでもあります。自分で使う場合は、必ず信頼できる専門家のアドバイスを受けてから実践してください。

最後に実際どんな症状に、どのように精油を使っているかを説明します。とくに臨床経験のなかでで良い結果が出ているものをご紹介しましょう。肩こり筋肉痛、捻挫や筋挫傷、脚のむくみ静脈瘤、冷え症などには希釈した精油を塗布。風邪、せき、のどの痛みに対しては、うがいや内服、吸入や塗布と使い道が多様。不眠やイライラ、精神ストレスに吸入や希釈した精油の塗布。そしてスキンケアとして疲労肌や乾燥肌、かゆみには希釈した精油を塗布。などです。

応用編として、ひとりでは出来ませんがアロママッサージといって塗布しながらマッサージを施し精神ストレスなどにも効果のある方法や、足浴時など乳化剤で溶かした精油を、お湯に入れる方法もあります。

このように芳香植物療法は非常に多用途で利用価値の高い療法なのです。もう香りでリラックスといった軽いタッチの療法ではなくなっているのです。今後は医療の現場から家庭までひろく深く浸透していくことでしょう。

このページのトップへ



『代替医療について』 その9

鍼灸療法

今回は数ある代替医療のなかでも代表的な治療法、鍼灸療法についてお話しします。

鍼灸は説明の必要がないぐらいに広く浸透しています。鍼灸の歴史は古く、前漢の時代「黄帝内経」に書かれており、その後も脈々と受け継がれています。

日本では明治7年の医制改革で西洋医学が主役になり東洋医学が傍流に回った関係で、今は代替医療といわれていますが、伝統のある由緒正しい治療法です。その後は現代医学の影響を受けながら今日に至っています。

それでは現代の針灸院ではどのような鍼灸が行われているのでしょうか。簡単に分類してみます。ひとつは西洋医学的な土台の上で「技術」としての針灸が行われている場合(病院などに多い)。二番目は経絡学説、陰陽五行学説などの伝統をまもり古典的な鍼灸医学に傾倒している場合(仙人の世界)。三番目は、その両方のよいとこ取りを狙った、折衷的な針灸が行われている場合。

このように、針灸治療という看板が上がっていても、針や灸を使って治療しますよ、ということだけが共通項になっているわけです。そして針灸以外の治療も併用しているところが最近は増えています。次に針や灸に関して、経験のない方からの質問に「痛くないか」「衛生的か」などがあります。「痛くないか」ということに対しては、通常、針は痛くないです。ただ、何とも言えない「響き」というのを感じることがあります。そして、これが「気持ちよい」と感じる方も多いです。また一般に男性の方が鍼や灸を怖がる傾向があります。

次に針の衛生面についてですが、最近は使い捨ての針を使うところが多いですし、そうでないところもオートクレーブなどの滅菌設備を義務づけられているので、よほど非衛生的な環境でない限り安心できます。次に灸についてです。灸の場合は熱いことは、だれでも予想できるのですが、特に高齢者の中に、その熱さを気持ちよく感る方が多いですが、そういう方は実際に症状も楽になることがよくあります。もちろん、針の場合もそうですが的確なツボを刺激しての話ですが。

では、針と灸のどちらを選べばよいか、ということですが、ふつう症状などを見て術者が提案する場合と、患者様の希望で決める場合があります。最後に刺激の強弱についてです。針は種類、太さ、長さ、技法によって刺激量を自由に変えられます。灸は、もぐさのひねりの硬さや大きさで刺激量を変えられますし、跡が残るのがいやな方は間接灸(温灸)を選べばよいでしょう。

このように針灸ともに一見、同じような手技に見えても、術者のキャリアや手先の器用さなどによって治療感は大きく変わります。また技術の巧拙もありますが、なによりも、安心して施術を受けられる相性の良い先生を捜すことが最も大切なことでしょう。近年は若くて優秀な鍼灸の先生が開業しているケースが多いので、鍼灸療法への需要はますます高まってくるものと思われます。

このページのトップへ



『代替医療について』 その10

柔道セラピー

柔道セラピーとは柔道整復師(柔道セラピスト)が行う療法のことです。

こう説明すると、ピンとこないかもしれませんね。ようするに整骨院(接骨院)で行っている治療のことです。つぎに柔道整復師の業務については専門書に『身体に加わる外力および自力による急性、亜急性の皮下損傷に対する施術』とあります。

簡単に言うと骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷(肉離れなど)の固定や整復その他のことです。各種の健康保険を取り扱っていることもあり、整形外科と類似しているように感じる方も多いようですが、その起源が全く違います。

柔道整復術はもともと西洋医学ではなく、日本古来の柔術の活法を機縁とした純国産の医療なのです。その後、時代の変遷の中で当然ながら西洋医学の影響も強く受けているようです。純国産医学の上に、西洋医学が重なっているのが現状でしょうか。

近年の整骨院は針灸の資格もある先生が多いので、そういう意味では漢方医学も重なっている場合もあるでしょう。いろいろなものが混在した土壌のなかで、治療が行われているのが現在の整骨院です。

先日ある友人から、こんな指摘を受けました。「整骨院によって、治療内容が全く違う」というものです。たしかに、これは困ったことです。その理由は、整骨院によって、いろんな流派があることや積極的に他の代替療法を取り入れていることもあり、受け手を混乱させているようです。ほとんどの整骨院に共通するのは、電療(電気治療)・後療(マッサージなどの手技)・罨法(温熱や冷却)などがあることですが、内容は様々で見解が著しく違うことも、しばしば見られるようです。これから行こうという方は、このあたりも考慮した上で整骨院選びをする必要があります。

それに加えて法律できびしい広告規制があります。詳しい治療内容や方針、その先生の得意分野などが整骨院側からは発信できないのです。このように自分にあった整骨院を探すのは、ほんとうに難しいことです。複数の人の体験談を聞いた上で判断するのが無難でしょう。早くインターネットなどを使って、簡単に自分の求めている内容の整骨院を探せるようになって欲しいものです。

 街には数多くの整骨院がありますが、今後さらに過当競争は激しさを増すことが予想されますので、受ける側から見るとサービスの向上につながると思います。

私は柔道セラピストの未来について地域のトレーナーとして、または気軽に話せる健康管理アドバイザー的な要素が強くなるのではと考えています。そして、柔道整復師は最近ようやくWHOにも代替医療の新顔、柔道セラピーとして認知されました。これは将来的に柔道セラピストが海外に進出するキッカケになる可能性が生まれたわけです。柔道整復師の今後にご注目下さい。

このページのトップへ



『代替医療について』 その11

加圧療法

加圧療法とは椎間内加圧療法など特定のものを指しているわけではなく、気圧や水圧、貼付シートなどによる面圧を使った「加圧」を利用する治療法のことです。

まず気圧が体に及ぼす影響ですが、高気圧では体を周囲から支える力が高まるので体力が温存され、体力気力ともに充実、気圧上昇中には体調がよくなります。低気圧では体の組織が膨張し血行が悪くなり、脳圧が高まります。その結果、頭痛や関節痛、イライラや無気力になるという報告がありますし、気圧下降中には体調が不安定になり、事故や発作も多くなることがわかっています。

つぎに水圧が体に及ぼす影響ですが、最近流行の水中歩行などは水圧を利用した治療法です。水は空気よりも密度が高く、体を強力に支えるので水中では全身にサポーターを巻いているような状態で楽に立っていられますし、関節も安定します。また、静脈系に作用し循環機能が良くなることが知られています。

このように気圧や水圧は私達が考えている以上に、心身に対して大きな影響を与えているのです。ところで減圧による影響というのもあります。極端なものとしては潜水病がありますが、日常よくあるものでは牽引療法や間違ったストレッチなどがあげられます。牽引は引っ張ることによって組織が膨張し減圧された状態になります。ストレッチも関節を牽引するように行うと同様の弊害があるので、筋肉を伸ばしても関節を引き伸ばさないように注意してください。その他では航空機内の障害も減圧の影響が大きいといわれています。

さて日常よく行われている加圧療法としては、指圧やマッサージなどがあります。これらの療法は押圧を通じてこれを利用していると言えるでしょう。他ではテーピングや貼付シートも加圧の効果大で、最近は加圧のための貼付シートも登場してきています。

昨年、写真のようなカプセル型加圧器を学会の展示で見つけました。とても興味があったので学会そっちのけで早速体験し、他の方が体験されているのも観察しました。1.8気圧に調整された治療器に入ると呼吸がとても楽になり、深いリラックス感を得ました。また当日睡眠不足から眠気と頭痛があったのですが、30分後カプセルから出てみるとすっかり治っていました。慢性腰痛のある方が体験後、からだを前後屈させながら痛みが取れていると言って驚かれていたのも印象的でした。とても良くできた加圧治療器でサッカー選手のベッカムも使っているようですが、大阪にはまだ3台しかないようです。将来的には当院でも導入を検討しています。

このように加圧というのはたいへん大きな力を持っています。そして、このことに注目されたのは、つい最近のことです。今後、加圧療法はいろんなことに応用されていくことでしょう。またひとつ健康になる方法が見えてきたのです。楽しみですね。


このページのトップへ



『代替医療について』 その12

歩行療法

今回は一人で出来てお金もかからない理想的な治療法であり予防法でもある歩行療法をご紹介します。ただ、本来の効果を実感するためには、ある程度の期間、継続して行うことが必須なので、かなりの忍耐力が必要な点が難関といえましょう。順調に歩行療法を継続して2年半ぐらい経つと、体の全ての細胞が歩行開始後に出来たものに入れ替わります。ここまでいけば、始める前とは別人になったような感じで、その快適な状態を続けたくなるので、もうやめられなくなります。私の経験では歩行指導をして、そこまで到達できる方は始めた方の1〜2割です。

それでは正しい歩行(生理歩行)とはどのようなものかを解説します。

まず動きやすい服装で、靴はジョギングシューズなどクッションが良く、足になじむものが必要です。つぎに歩き方の基本ですが、写真@のように一線をはさむようにして歩くことが大切です。踏み出した脚が外に出たり内に入ったりといった癖があると、膝や腰の痛みが出たりして継続できなくなります。自分でたまにチェックするか、人に見てもらってください。そして歩行姿勢は写真Aのように上体をやや前傾させ、肘を曲げて後ろに引くような気持ちで腕を振ってください。手の親指は立てて上に向けて軽く握ってください。足の歩幅は広い方がよいのですが、初めは無理のない程度で結構です。慣れてくると徐々に広くなります。つぎに歩く速度についてです。当たり前のことですが、身長が高いほど速くなるので、人によって適正な歩くスピードは違います。そして身長差には関係なく1.緩やかな速度では、精神安定、消化器系機能増進に効果があり、2.普通の速度では泌尿器系の修復、機能増進に効果があります。3.やや速歩では、呼吸循環器系の機能修復、増進に効果があり、4.速歩では筋力、骨強度、関節潤滑が高まり気力活力が充実するという研究成果が発表されています。歩く時間に関してですが、上の効果が出るには最低30分以上の連続ノンストップ歩行が必要、できれば40分以上行いたいものです。そして毎日歩くことが理想なのですが、初めは無理のない程度の時間や頻度で行うことが継続していくためには大事なことです。また、呼吸法は吐くことを基本にして行ってください。

以上、簡単に説明しましたように歩行療法というのは、誰にでも出きる最も簡単な方法です。現代社会は交通機関が発達したうえに、車や自転車など便利な乗り物が身近にあふれています。この便利さが皮肉なことに、最大の自己修復能力アップの決めてである歩行の機会を減らしているのです。歩行不足が関係すると考えられる症状は日常来院される患者様に多く見られます。これに対し私は10年前から患者様に歩行指導を行っています。最近では英国も医療費を削減させるために国家をあげて取り組んでいるということを聞いています。我が国でも、もっと積極的に推進していただきたいですね。そうしたら医療費の問題もかなり解消されるだろうと考えているのは私だけではないと思います。一人でも多くの方が歩行の重要さを再発見されることを願います。

このページのトップへ



『代替医療について』 その13

まとめ

このシリーズも最終回となりました。代替医療というのは西洋医学以外の医療のことです。その中には数多くの療法があります。多くの代替医療の中から私が日常施行している療法をご紹介しました。ここで過去に解説した療法を簡単に振り返ってみることにします。

@吸角(吸玉)療法 最も古い治療法の一つで現在も世界中で行われています。日本ではガラス製のカップを患部にあて、それを吸引して疲労物質を吸い上げます。疲れが溜まっていると吸引箇所が黒くなったり水疱が出たりします。肉体疲労時によく使っています。

Aプロバイオティクス「酪酸菌」 抗生物質に対する共生という意味のプロバイオティクスという腸内細菌を生かす考え方があります。これは栄養の分解吸収や免疫力をアップさせる方法です。中でも酪酸菌の有用さが見直されています。有力な大腸ガンの予防法でもあります。しかし、この菌は西洋型の食生活には合わず数が減っています。そこで意図的に摂取しますと、そのエサとなる豆類や穀物、食物繊維がたっぷりの和食が欲しくなります。これは無理なく和食中心のヘルシーな食生活に変える方法です。

Bリフレクソロジー 足や手にある反射区と呼ばれるツボを指圧やマッサージして、対応する局所又は全身を調整する療法で、主に足底のツボを使って治療するのが一般的です。Cクエン酸療法 クエン酸サイクル理論に基づいています。クエン酸をとることにより、このサイクルを円滑に回転させ、エネルギーをつくり出し、また疲労物質を減少させることを狙っています。そして、体液を弱アルカリ性に戻すことを目的としています。  

D頭部冷却療法 最近急増している頭部のうつ熱症に対して、頭に溜まった熱を捨てることで機能を正常化することを目的としています。頭脳労働や眼精疲労、悩みや精神ストレス。脳卒中やてんかん、眼、耳、鼻、口腔系の障害に、氷枕や氷のうなどで対処します。Eサウンドセラピー、カラーセラピー 音楽や色彩が耳や眼を通じて脳やココロに働きかけます。その影響力は案外大きな力を持っています。うまく使えば非常に有効です。

F芳香植物療法 アロマセラピーとも呼ばれています。植物の血液ともいえる精油を使って塗布、マッサージ、吸入、内服など多彩な方法で治療します。また精油には多くの種類があり多様な症状に対処できます。

G鍼灸療法 我が国では古くから認知されている、たいへんポピュラーな治療法です。

H柔道セラピー 日本古来の柔道整復術に端を発した、整骨院で行っている治療法です。

I加圧療法 気圧、水圧、貼付シートなどによる面圧を使った「加圧」を利用する治療法のことです。関節や内蔵の機能失調などを正常化する働きがあります。

J歩行療法 正しい歩行を修得すれば、自分自身で治療と予防を実現することが出来ます。

以上この1年の連載を駆け足で振り返ってみました。これらが皆様の健康や病気予防に役立つことを願っています。

このページのトップへ



前ページへ

■健康科学岡田整骨院
 の紹介
■健康科学岡田整骨院
 ストーリー
■初めて来院される方へ
■治療法について
■院長の連載コーナー
■メニュー&料金表
■通信販売
■プライベート写真館
■リンク
■ホームへ